2ndアルバム「With The Beatles / ウィズ・ザ・ビートルズ」
1963年11月22日発売。1stアルバムが大ヒットしているさなかに続けざまに発売された2ndアルバム。いきなりジョンの歌から始まる1曲目「It Won't Be Long」からノックダウン必至の強烈さ。前作からわずか半年あまりでこの進歩。若いって素晴らしい。ポールが歌う5曲目「Till There Was You」のようなアコースティックな曲もあり、すでにそこら辺のビートバンドとは一線を画している。
ビートルズを評価するときに忘れられがちなのがリンゴのドラミングについてだと思うんだけど、このアルバムにおける彼のビートの素晴らしさ!パンチが効いてて正確。しかもうるさくない。それでいて、ブレイクのあとに「ドン!」と入るフロアタムは腰に来る迫力。これをバックに歌うのはさぞ気持ちいいだろうなあ。正確なドラム、と書いたけど、実は少しだけ、ほんの少しだけ跳ねる感覚があってこれも歌い手を上手に乗せてくれる効果がある(と僕には思える)。ジョンもポールもジョージも、ビートルズ解散後であっても自分のアルバムにリンゴを呼んでドラムを叩いてもらってるのは、この歌いやすさは他に代えられないからだろう。
リンゴ自身も歌う。いちおう、ほとんどのアルバムで1曲は歌ってる。このアルバムでは11曲目「I Wanna Be Your Man」。歌えるドラマー。歌ってる曲以外でもドラムが歌ってる。歌うドラム。ポールが弾くメロディアスなベースラインがよく取り上げられるけど、リンゴのメロディアスなドラムライン(?)もすごいと思うのだ。特に、このアルバムの10曲目「You Really Got A Hold on Me」のようなハチロク(8分の6拍子)系の曲ではなんとも言えずいい味がでてくる。
というわけで、このアルバムを聴くときはリンゴのドラムをよく聴いてみて欲しい。あ、1stよりもすごみが増したジョンのボーカルも聴き物ですぞ。
【ワタクシが持っている盤】
1987年版のCD(モノラル)、2009年版のCD(ステレオ)、2009年版のCD(モノラル)、2009年版のアナログLP(ステレオ)、2009年版のアナログLP(モノラル)