7thアルバム「Revolver / リボルバー」
1966年8月5日発売。僕が思う最高傑作アルバム。「無人島に持って行く一枚」によく『The Beatles (White Album)』を挙げる人がいるが、僕は断然『Revolver』派。
僕の世代(1971年生まれです)にとって、初めて聴いたビートルズのナンバーは?と訊かれても正確には答えられない場合が多い。というのは、幼児番組「ポンキッキ」で大量にビートルズナンバーが使用されていたから。あれ、著作権的に大丈夫だったのかなあ。思い出せるだけでも、「Please Please Me」「When I'm Sixty Four」「One After 909」なんかが断片的に使われていた。
だから、初めてビートルズのナンバーと意識して聴いたビートルズのナンバーは?と訊かなければならない。そして、僕にとってそれはこの『Revolver』収録の「Yellow Submarine」である。その意味で特別なアルバムなのだ。
前作『Rubber Soul』でも少しその傾向が見られたサイケデリックな楽曲が、このアルバムでは全開状態。冒頭「Taxman」のウニョウニョとしたイントロ、「I'm Only Sleeping」でのテープ逆回転による変なギターソロ、「She Said, She Said」の複雑なリズムなど、レコーディングのテクニックがこれでもかと詰め込まれている。極めつけは最終曲「Tomorrow Never Knows」。最初から最後まで同じリズムと同じコードが繰り返されるベーシックトラックの上に、テープのループやギターの早回し&逆回し、加工されてひずんだジョンのヴォーカル、さまざまな効果音が乗っかってくる、ポップソングの極北のような存在。
このあと『Sgt. Pepper's Lonely Heart's Club Band』を経て『Magical Mystery Tour』へといたるビートルズのサイケデリック時代の諸作品の中でもっともとんがった楽曲群だ。
サイケ調の曲以外にも、美しいコーラスが聴ける「Here, There, and Everywhere」、ギターポップの金字塔「And Your Bird Can Sing」、ホーンセクションを大々的に導入したド派手ナンバー「Got to Get You Into My Life」など、どの曲も本当に素晴らしい。
次作『Sgt. Pepper's Lonely Heart's Club Band』を最高傑作に推す人も多いが、楽曲のクオリティはこのアルバムの方が上だと断言する。絶対にオススメ。
【ワタクシが持っている盤】
1987年版のCD(ステレオ)、2009年版のCD(ステレオ)、2009年版のCD(モノラル)、2009年版のアナログLP(ステレオ)、2009年版のアナログLP(モノラル)