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13thアルバム「Let It Be / レット・イット・ビー」

 

 1970年5月8日発売。1969年9月末には非公式にジョンがビートルズ脱退を表明、この日が実質上のビートルズの解散日である。1970年4月10日にポールがビートルズ脱退を発表してビートルズが解散状態にあることが公になり、世界中に衝撃を与えた余韻が冷めやらぬなか発表された、発売順でいうとラストアルバム。1969年1月に行われた「ゲット・バック・セッション」で録音された素材(とその他のセッションのアウトテイク)を使って一枚のアルバムにまとめたもの。
 素材、と書いたが、楽曲として完成状態にあるものはほとんどなく、まさしく「素材」状態のものを何とかアルバムとしてまとまった状態にしたのはフィル・スペクター。彼のプロデュースに関してはいろいろ言われるが、海賊盤とかで聴く限り本当にどうしようもない素材をあつめて今の形にまとめた彼の手腕は素直に素晴らしいと思う。メンバーたちもそう思ったらしく、ジョンとジョージはこのあと数年間、自分たちのソロ作品のプロデュースを彼に任せることになる(ポールはフィル・スペクターが勝手に追加したオーケストラやコーラスに怒っていたらしいが)。
 元の素材がかなりラフなものだったので、アルバム全体の印象は「シンプルなロックアルバム」。『アビー・ロード』のような完璧なアルバムもあれば、本作のようにスキだらけのアルバムもあるのがビートルズの魅力であるから、お蔵入りしそうだったけど最後にこのアルバムが出てよかったのかもしれない。
 なお、このアルバムのタイトル曲ともなった名曲「Let It Be」は2バージョンあって、こちらはアルバムバージョンを収録。ジョージのギター・ソロが熱いのはこちらなので、アルバムバージョンで聴くのを激しく推奨。最後のサビの繰り返しも1回多くてお得(?)。

【ワタクシが持っている盤】
1987年版のCD(ステレオ)、2009年版のCD(ステレオ)、2009年版のアナログLP(ステレオ)

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