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3rdアルバム「Led Zeppelin III」

 

1970年10月5日発売。『II』の特大ヒットによって世界中で待望された3rdアルバム。しかし、出来上がってきたのは非常に穏やかな曲が多数を占めるアルバム。結果、『II』のようなハードロック・アルバムを期待したファンたちから総スカンを喰らった。僕はわりと好きなんだけどな-。B面の曲、特に「That's the Way」とかすごく良いよ。
 1stアルバム『I』はアコースティックな曲/ハードな曲/ブルージーな曲と、それぞれのバランスがよい理想的なデビューアルバムだった。『I』の大ヒットを受けて製作された『II』は、コンサートツアーに明け暮れる毎日の中で、ちょっと異常な高揚感のなか制作されたため極端に外向きのパワーにあふれたハードロックアルバムに仕上がった。従って、次作『III』がツェッペリンのハードな面以外の個性、アコースティックな面とブルージーな面を前面に押し出すものになったのは当然の流れである。バンドの中心人物であるジミー・ペイジはバンドのプロデューサーでもあり、3枚目を2枚目の延長線上で作ってしまうとバンドのイメージがハードロックバンドで固定化されてしまうことを危惧したのだろう。
 結果、フォークソングやトラディショナルの手触りがする楽曲が半数を占めることになった。渋谷陽一によると、このアルバムについて「バッファロー・スプリングフィールドみたいですね」と言ったらジミー・ペイジは喜んでいたそうなので、その方向を狙っていたのだろう。バッファロー・スプリングフィールドはアメリカのバンドだけど、ブリティッシュ・トラッドに通じる独特の翳りを持つバンドだったからツェッペリンの音楽とも親和性は高い。
 両極端な個性を持つ『II』『III』というふたつのアルバムを経て、この両者を統合して止揚したのが次作となる傑作『IV』となるのである。

収録曲
A-1 移民の歌 - Immigrant Song
A-2 フレンズ - Friends
A-3 祭典の日 - Celebration Day
A-4 貴方を愛しつづけて - Since I've Been Loving You
A-5 アウト・オン・ザ・タイルズ - Out on the Tiles
B-1 ギャロウズ・ポウル - Gallows Pole
B-2 タンジェリン - Tangerine
B-3 ザッツ・ザ・ウェイ - That's the Way
B-4 スノウドニアの小屋 - Bron-Y-Aur Stomp
B-5 ハッツ・オフ・トゥ・ロイ・ハーパー - Hats off to <Roy> Harper

ワタクシが所有する盤
1993年リマスター盤の紙ジャケ、2014年リマスターのスーパー・デラックス・エディション。1986年版(最初のCD)は売ってしまいました。

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