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Writer's picture大 西内

カーペンターズ『ヴァイナル・コレクション』(LP12枚組)を買って失敗


 カーペンターズのオリジナル・アルバム11枚とシングル集1枚がアナログ盤で再発されるのに合わせて、全部まとめたボックス・セット(輸入盤)も発売されたのでさっそくHMVに注文して入手。実は、カーペンターズは今までベスト盤しか持ってなくて、オリジナル・アルバムは1枚も持ってなかったからいい機会だったのである。注文する時期によって値段が違っていたようだが、僕は¥24,000で新品を入手。

 ところが、だ。レコードのセンター穴がずれてる。全部。微妙に、じゃなくてはっきりと。プレーヤーのトーンアームが右へ左へと揺れる揺れる、音も上へ下へと揺れる揺れる、とてもじゃないが聴けたものではない。あんまりひどいのでHMVに連絡して交換してもらったら(連絡してからずいぶん待たされた)、交換品もやっぱり穴がずれてる。もともとのプレスが良くないらしい。昔の輸入盤にはよくこういうのがあったそうだけど、それってレゲエの7インチ盤とかの話だと思ってたよ。天下のユニバーサル・ミュージックが製造してこのクオリティかよ。

 で、アメリカのAmazonのカスタマーレビュー(英語)を読んでたら、やっぱりセンター穴のことで大不評で、評価☆1つの嵐。レビュアーの中にはユニバーサルに連絡して交換してもらった人がいて、その報告とかが書いてある。その人とのやり取りでは、ユニバーサル側が不備を認めてプレスしなおす(8週間ほどかかる)、やり直しプレスで製造したものを交換品として送る、という結論だったようだが、3月頭にその交換品を受け取った後の報告では、やっぱりすこし不具合があるらしい。そこまでやっても結局不良品なら、あきらめるしかないよな。¥24,000もしたのに・・・

 で、最後の手段。自分で何とかする。穴がずれてるなら、丸ヤスリで穴を広げてガバガバにして、実際に回してみながら置く位置を微調整して、「ここだ!」というところでスタビライザー(レコードの上に置く重し)を置いてから再生。これでなんとかなるんだけど、これをやってしまうとこの後は永久に、再生するたびにこの微調整をしなくてはならないというわけだ。ハア・・・

 ちゃんとかけてみるとさすがにいい音で鳴る。CDよりも音が温かいのがアナログ盤のいいところだけど、それはカーペンターズのような音楽でこそ感じられる。カレン・カーペンターの豊かなアルトの歌声が胸に沁みる・・

 ジャケットとかの再現は完璧で、「Carpentars」のエンボス加工とか変則ジャケットとか、CDでは絶対にありえないクオリティなのでそこは頑張ってると思う。でも、肝心の音楽が正常に聴けないんだったら何の意味もないよね。

 まあ、こういう手間がかかるのがアナログの醍醐味、と思って納得するしか。


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